医療用ウイッグ
ANGELIQUE
おばさんのお見舞いに行って、個室のドアを開けた。
思っていたより、元気そうな顔だった。
まず、よかった。
帽子をかぶっていて、
「見てよ、これ」と笑って。
帽子の下は、
ふさふさだったおばさんの坊主姿だった。
その瞬間、胸がぎゅっとした。
でも、私は言葉を探すより先に思った。
美容師の自分ができること
――ウィッグだ。
ずっとよくしてもらった。
今度は自分が、何か返したい。
そう、直感で思った。
そこから始まった
医療用ウイッグ、そして患者様との出会い
ある日の個室からたくさんの出来事を少しずつ描いていきます
NHK 「ひるまえほっと」
がん患者のためのウィッグをカットする再現美容師

